ODAと経済成長

途上国援助と言えばODA、政府開発援助。先進国の責任だとか、目標額に届かないだとかでよくニュースでも耳にする援助手段ですが、、果たしてODAは、途上国の成長につながっているのでしょうか?
分析してみました。

GNI比のODAの大きさと、その年のGDP成長率についての途上国の06年から08年のデータです。
上は、両者の関係を散布図にしたもの、
下は、回帰分析を行った物になります。

まず散布図を観てみます。
これは、

X座標にその年のODAの規模(対GNI比)
Y座標にその年の経済成長率(一人当たりGDPの成長率)
をとり、06年から08年の、それぞれの国のデータを点でプロットしたものです。

ODAを沢山貰っていて、GDPも成長している国、は、グラフ右上の方に、
ODAを余り貰っていないのに、GDPは成長している国、はグラフ左上の方に位置することになります。

もしも、「ODAが沢山貰える国は経済成長し易い」という傾向があるのであれば、散布図の点は右肩上がりの直線上に乗るハズです。

しかし実際は・・・
どう頑張っても「右肩上がり」とは言えません。

この点の集まりが何を意味するのか、というのを分析するのが
下の”回帰分析”です。
本当はもっと別の書き方があるのですが・・・めんどくさいのでそのまま載せました。ごめんなさい。

読み取るべき数字としては・・・
まずは有意度Fの所。これは、”この点のバラツキ具合が偶然である可能性”を示します。これを見ると、F=0.0034、つまり、1%未満です。要するに、この点の集まりには何らかの意味がある、ということです。

次に見るのが、”X値”となっている部分の係数です。今回の場合これは、GNI比のODAの値が1%増加すると、GDPの成長率が何%上がるか、という値を説明するものです。

その係数が、-0.041。。つまり、ほぼ関係無し、ということです。

要するに、ODAじゃ経済成長には繋がらない、という事が分かった訳です。
勿論、これでODAの重要性が低下するわけではありません。ODAの良い所は、即効性のある所です。つまり、今必要な食糧を渡すこと、今必要な毛布を提供すること、今必要な橋を建築すること(苦笑)などなど。。ODAでなければ救えない人が居る事は確かでしょう。

しかし、今回の分析で言えるのは、ODAでは”根本的な解決”にはならない、という事。いくらODAをあげても、経済は成長せず、ひいては生活の改善は望めない、という事です。

結論!ODAは経済成長につながらず、対症療法にすぎない。途上国問題の”解決”を目指すなら、ODA以外の手段を考えなくてはならないのです。

お付き合い頂きありがとうございますm(_ _ )m
こんな具合で今後内容を充実させて参ります。

今後に続きます(^^)